大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和23年(れ)361号 判決 1948年6月22日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人安藤宇一郎及び被告人の上告趣意は別紙添付の書面記載のとおりである。

辯護人安藤宇一郎の上告趣意について。

被告人と他の共犯者との間に本件強盜の意思がどう連絡されたかについて原審の審理は簡に失するの嫌いはあるが、被告人は原審公判廷で本件犯罪事実をすべて認めているのであるから、原審が被告人に強盜の共謀があったものと認定したことは、所論のように論理法則に反するものと言うことはできない。又、夜間において、他の共犯者がブリキ製のピストルを被害者に突きつけ脅迫した際に、被告人がその傍に佇立していたことは、被害者を畏怖せしめるに役立つこと論を待たないから、原判決が被告人の行爲を強盜罪の共同正犯と認定したことは、もとより違法ではない。されば、論旨はいずれも理由がない。(その他の判決理由は省略する。)

よって刑事訴訟法第四百四十六條により主文のとおり判決する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 長谷川太一郎 裁判官 井上登 裁判官 庄野理一 裁判官 島 保 裁判官 河村又介)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例